昭和区の膝関節痛専門整体の、ぱく痛みとからだの研究所の朴です!
膝関節痛についてお困りの方は多くいらっしゃると思います。
膝関節の痛みの原因にはいくつかありますが、その中でも今回は脂肪体(しぼうたい)について書いていこうと思います。
脂肪体?!・・・何それ・・・
脂肪? 太っているから? そんな風な印象を受ける方もいると思います。
写真は膝を横から見た断面図ですが、黄色い部分が脂肪体です。
正式な用語としては、膝蓋下(しつがいか)脂肪体と言います。
名前の通り脂肪なんです。
膝の前側にあり、お皿の下やお皿の裏側にもびっしりまとわり付いていてクッションの役割をしています。
膝が伸びた状態で脱力するとお皿の下にモコっとしたものがありますが、これが脂肪体です。
触ってみてください。
そのまま(触った指はそのまま)膝を曲げるとモコっとしたものが消えませんか?
膝を伸ばすと表面に浮き出てきて、曲げると奥に引っ込むのが特徴です。
実はこの脂肪体、論文でも体の中で最も痛みを感じやすい組織と言われているんです。
膝の前側もしくは内側の痛みのある方のうち、かなりの割合でこの膝蓋下脂肪体が原因である事が多いんです。
脂肪体が原因で引き起こす症状としては多岐に渡りますが、
代表的なものとしては階段の降る時の痛みや歩行時の痛み、正座や膝を伸ばした時・曲げた時の痛みなど様々です。
また、痛みは無くても、可動域制限や違和感としての症状を感じる方もいます。
ではこの脂肪体が痛いという事がわかったとして、なぜ痛みが出るのでしょうか?
脂肪体にそのような変化が起きているのでしょうか?
それは脂肪体に「線維化」「萎縮」「変性」という病変が起きているのです。
どの言葉も同じという風なイメージで良いと思いますが、
元々はフワフワでどのような刺激にも自由自在に動ける柔軟性を持っているのですが、脂肪体が「線維化」と言って柔らかい状態から線維っぽくなって硬くなってしまいます。
これは脂肪体に繰り返し刺激が加わり続けることや痛みが生じない程度の炎症が、ある一定期間繰り返されることで生じます。
また、加齢などの関節の変形が進行すると脂肪体が「萎縮」する事も研究で分かっています。
「変性」というのは文字通り、「性質が変わる」ということで、上記のような組織の変化が起こることの総称です。
このような変化が起き脂肪体が硬くなると、スライムみたいに膝の動きに合わせて邪魔にならないように動いていていたものが動けなくなり部分的に詰まったり圧を受けるようになります。
そうなると詰まっている部分や圧を受けた部分が痛みを感じる事になります。
そのような状態が、前述した階段の降る時や歩行時、正座や膝を伸ばした時、曲げる時になります。
ちょっとマニアックな情報ですが、この脂肪体は硬くなると「HIF1-α」という名前の「低酸素誘導因子」というタンパク質が脂肪体の中に産生されてしまうのです。
少しだけこのHIF1-αについて説明しますね。
このHIF-1α、最近では糖尿病や癌でも注目されているタンパク質なのですが、
まず、HIFとは細胞に対する酸素供給が不足状態になった時に誘導されてくるタンパク質です。
正常な健康状態(酸素正常状態)ではHIF1-αの発現は抑えられています。
細胞の酸素の状態というのはPHDタンパク質群というものによって感知されています。
しかし、細胞の中が低酸素状態になるとこの感知機能が狂ってしまい、普段は抑えられていたHIF1-αが増えてしまうのです。
また、似たような名前のHIF1-βというタンパク質もお手伝いして、さらにこのHIF1-αがたくさん作られてしまうのです。
もちろん他の筋肉や皮膚と同じで脂肪体の中にも血管があって血流もあるし、神経も通っています。
しかし、HIF1-αが発現した脂肪体は脂肪全体に血流がうまく通わず、本来通うはずの神経への血流も低下してしまいます。
血流が低下してしまうと痛み物質が出てきやすくなります。
硬くてクッション機能が低下するので刺激を受けやすい事に加えて、痛みが出やすい状態になってしまうというのがこの脂肪体による痛みの正体なのです。
では、一度硬くなってしまった脂肪体は柔らかくなるのでしょうか?
答えはYESです!
硬くなった脂肪体に物理的な刺激を加えるとHIF1-αが除去されていく事が研究でわかっているんです。
もしかしたら今のあなたの膝の痛みはこの脂肪体が原因なのかも知れません。
ただし、それが痛みの原因だと特定する検査技術(触診技術)と治療技術が無いと治るものも治りません。
このブログを読んで、私の痛みももしかしたら脂肪体かも!と思ったら、一度お気軽にお問い合わせくださいね。
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