その痛みはヘルニアではない?!/名古屋の腰痛専門整体

昭和区の腰痛・坐骨神経痛専門整体のぱく痛みとからだの研究所の朴です!

 

今回は腰椎椎間板ヘルニアについて、そしてヘルニアとついて勘違いされそうな事についてご紹介していこうと思います。

 

目次

1.【ヘルニアの疫学】

2.【ヘルニアの種類】

3.【ヘルニアの自然経過】

4.【ヘルニアの手術適応】

5.【ヘルニアに対する理学療法の科学的根拠】

6.【ヘルニアによる坐骨神経痛の整体】

 

まずヘルニアという言葉ですが、

体の構造の異常により、臓器が本来あるべき位置から外に飛び出てしまう事を言います。

 

【ヘルニアの疫学】

腰椎椎間板ヘルニアの有病率は,人口のおおむね1%前後であると言われています。

好発高位は L4/5 (腰骨の4番目と5番目の間)と L5/S (5番目の腰骨と仙骨の間)であると言われています。

手術例は 20~40 歳代で、男性にやや多い傾向にあります。

 

 

【ヘルニアの種類】

ヘルニアの形態は,4つあります。

 

髄核膨隆(bulging type)

髄核突出(protrusion type)

線維輪完全断裂を伴う脱出(extrusion type)

およびヘルニアが遊離した髄核分離(sequestrusion type)に分類されます。

 

引用元:QLife

 

 

【ヘルニア自然経過】

ヘルニアの自然経過について解説していきます。

 

先ほど説明したヘルニアの種類の中でもヘルニアの自然経過は異なります。

 

この中でも特に飛び出しきった③、④のタイプは自然吸収されやすい傾向にあります。

また、症状を認めるヘルニアのうち、

MRI画像では60%以上でヘルニアの退縮、つまり自然吸収が認められたという報告があります。

 

ヘルニアの退縮は

sequestration typeで、96%(52/54)

extrusion type では、70%(108/154)

②protrusion typeでは、41%(38/93)

①bulging typeでは、13%(8/60) に認められています。

 

また、完全吸収率は、

sequestration typeで、43% (18/42)

extrusion typeでは、15%(16/91)

②protrusion typeでは、0%(0/7)

①bulging type では、11%(3/24) であるとされています。

 

さらに最初のヘルニアは大きいほど吸収されやすいと言われていもいますし、

吸収が起こる時期は不明ですが、3ヶ月以内に吸収される傾向にあるみたいです。

 

 

【ヘルニアの手術適応】

手術適応は経過観察をしていた人の2~5割が手術に移行する事があり幅があり、

症状の程度やヘルニアの脱出形態によるとされています。

多くは症状の強さが要因として大きいみたいです。

 

【ヘルニアに対する理学療法の科学的根拠】

ここまではヘルニアの基本的なことを解説してきましたが、

ヘルニアに対する理学療法の科学的根拠(エビデンス)はどれくらいあるのでしょうか?

 

日本脊椎脊髄病学会の腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン(改訂第 3 版)によると、

腰椎椎間板ヘルニア患者の疼痛緩和と身体機能の改善を目的とした保存的治療のうち、理学療法や代替療法に関して、その有効性が十分に示されているものはなく、その治療効果は限定的である。

とされていて、エビデンスの高さはDランクとなっていて、かなり低いです。

 

ちなみに、エビデンスの強さはAが最も高いとされています。

 

エビデンスが低い?!

え?!じゃあヘルニアと診断されたから、この痛みはリハビリや整体などの治療をしても無駄なの?

と思ってしまうと思います。

 

あくまで私見ですが、このエビデンスというのはあまり当てにならないと思っています。

治療家によって知識・技術がまるでピンキリだからです。

「理学療法」「リハビリ」「整体」とひとまとめにすると同じに聞こえますが、

世界中の治療家全員がすごい技術者だったとしたら、エビデンスレベルは当然高くなるし、

Aさんは治せるけど、Bさん・Cさん・Dさんの治療が全く効果がなければ、

当然エビデンスレベルは下がってしまいます。

 

ここで誤解して欲しくないのは、なんでも治せるという事ではなくて、手術をしないと症状が改善しない事もあります。

ただ、手術適応と言われても実は他の場所が原因でヘルニアのような症状が出ている事だってあるんです。

例えMRIでヘルニアと言われても、症状があった時にたまたま撮像したMRIにヘルニアが写っていただけで

もしかしたらヘルニア症状が出る1ヶ月前に撮像しても写っていたかも知れません。

 

 

【ヘルニアによる坐骨神経痛の整体】

自然経過でも述べましたが、腰椎椎間板ヘルニアでは、

人間の免疫細胞であるマクロファージが飛び出した髄核を少しずつ食べてくれることで、

数週間~1年程度の期間で消失することがあります

MRI画像上では、70%のヘルニアが3~6ヶ月で消失するとされています。

腰椎椎間板ヘルニアの約80%が自然治癒されると言われています。

 

したがって、半年前にヘルニアと診断された、1年前にヘルニアと診断された。など長い期間患っているというエピソードを聞くと前述した内容から「ヘルニアの痛みではないのでは?」と思ってしまいます。

同じような症状を出す可能性として、筋膜靭帯関節機能低下などがあります。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

辛い症状で悩んでいたら、一度ご相談くださいね!!

ぱく痛みとからだの研究所