昭和区の腰痛・坐骨神経痛専門整体の
ぱく痛みとからだの研究の朴です!
今回はよく耳にする、
腰椎椎間板ヘルニアの発生要因について簡潔に解説していこうと思います。
かなり難しい言葉も出ますが、
その後に簡単な言葉に差し替えて説明もしてありますので、ぜひ参考にしてください!
まず、
腰椎椎間板ヘルニア発生に関わる因子として、
①環境因子
②遺伝的因子
があります。
椎間板ヘルニアは多因子疾患と言って、
様々な因子が重なり発症します。
はじめに①環境因子について説明します。
環境因子の中には
a.職業の影響
b.喫煙の影響
c.その他の影響
があります。
a.職業の影響としては、
ヘリコプターのパイロット、宇宙飛行士、医師および医療従事者、
職業による全身振動の曝露時間の余裕がない労働環境が危険因子として報告されています。
b.喫煙の影響としては、
男性も女性も共に統計学的に喫煙者が有意に腰椎椎間板ヘルニアのリスクが高いというデータがあります。
喫煙経験者よりも現喫煙者のほうがよりリスクが高く、喫煙量が多いほどよりリスクが高いとする報告があります。
c.その他の影響としては、
腰椎椎間板ヘルニアで手術を要した群は、
年齢・性別をマッチングさせた手術を要さなかった群よりも有意にBMIが高かったというデータがあり、
また、身体活動レベルが低いほど上昇する傾向にあります。
全血粘度(whole blood viscosity)が、
非ヘルニア患者と比較してヘルニア患者で有意に高かったとも言われています。
脂質代謝異常は、関係ありとするものと、
無しとするものがありますが、これらの因子が
ヘルニアの発生リスクを直接向上させるか否かは不明であるみたいです。
※全血粘度とは、採血された血液(全血)の粘り気(粘稠度)を調べる検査です。
血液の粘度は、赤血球量や血漿の粘度、血漿中のタンパク質濃度やその内容、赤血球の数や状態などによって左右されます。
【ここまでの要約】
①せっぱ詰まった職業
②喫煙者
③活動量が少ない方
④血液ドロドロで太っている方(BMI高い方)
はヘルニアを引き起こす因子となるという事です。
次に②遺伝的因子です。
遺伝的因子の中には
a.家族性の影響
b.ヘルニア疾患感受性遺伝子
があります。
詳しく説明しますね。
腰椎椎間板ヘルニアは特に若年性で家族集積性が高いと言われており、
双生児研究では同時罹患が多いことが知られています。
a.家族性の影響について
ヘルニアの遺伝性に関してこれまで
椎間板ヘルニアにおける家族集積性を報告した論文があり、
特に若年性椎間板ヘルニアでは家族集積性が強いと考えられています。
双生児研究からは、一方が椎間板ヘルニアになると他方に10倍発症リスクが上がるとの報告もあります。
近年の研究でも米国のユタ州で椎間板ヘルニア1,264例を調べたところ、家族集積性が認められたそうです。
b.ヘルニアの疾患感受性遺伝子について
これまで椎間板ヘルニアの疾患感受性遺伝子として
軟骨や椎間板に特異的に発現する
タイプ IX、XI コラーゲン(COL9A26),COL9A37)、COL11A18
軟骨の基質を構成する遺伝子(CILP9)
アスポリン:ASPN10
細胞の移動、接着、増殖に関与する
トロンボスポンジン2:THBS211
軟骨基質分解酵素(マMMP-911)
などが報告されています。
日本人における検討では、椎間板にも多く発現が認められるCILP9、COL11A18や
THBS211とマトリックス分解酵素であるMMP-911などの遺伝子が関係していると報告されてきました。
近年日本人では、ヘルニア患者862例、そうでない例896例を調査したところ
人の発生の過程で脊索や髄核に発現するSKT (sickle tail) 遺伝子について関連があったと報告されています。
難しい言葉ですいません!!
【ここまでの要約】
①家族が椎間板ヘルニアだと、椎間板ヘルニア発症の可能性があり、
若いほどその傾向がある。
②双子の場合、一方が椎間板ヘルニアだと、他方も椎間板ヘルニアになりやすい。
③椎間板ヘルニアになる遺伝子を持って生まれた。
この中でも特に③の疾患感受性遺伝子に注目しています。
なぜ私だけ?と思われる方もいると思いますが、
椎間板ヘルニアになりやすい遺伝子を持って生まれ、
職業や生活環境などの様々な因子が絡み発症したと考えると、
安易に運動不足だから、体が硬いからという訳ではないということが
理解できたのではないでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございます!
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