仙腸関節とは?
仙腸関節は骨盤を作っている左右の腸骨(ちょうこつ)と仙骨(せんこつ)の間の関節です。
脊柱の根本に存在し、上半身をしっかり支えつつ地面からの衝撃を緩和しています。
つまり、自動車や免震構造物に多く使用されているダンパーによく似た衝撃緩和装置として機能しています。
関節と言ってもとても可動域が少なく、仙腸関節周囲の靭帯によって強固に連結されて動きが制限されています。
画像検査ではほとんど判らない程度の3~5mmのわずかな動きを有しています。
仙腸関節障害の発症要因は?
日常生活の動きに対応できるよう、ビルの免震構造のように根元から脊椎のバランスをとっていると考えています。
中腰での作業や不用意な動作、あるいは繰り返しの負荷で関節に微小な不適合が生じ、痛みが発生します。
仙腸関節障害は決して稀ではありません。
一般的に、出産後の腰痛に仙腸関節障害が多いといわれますが、老若男女を問わず腰痛の原因となります。
仙腸関節障害はどのような症状?
・痛みは腰ではなくお尻のまわり(上後腸骨棘付近)にある。
・臀部痛、鼠径部痛、太ももやふくらはぎの痛みやしびれ症状を伴うことも多い。
・片側の痛みのことが多い。
・長時間椅子に座れない。
・仰向けで寝れない。
・痛い側を下にして寝れない。
・産後などに発症するケースも多い。
・朝起きてしばらくは痛いが日中になると痛みが軽減する。
・歩き始めで痛いが徐々に楽になる。
・ソファーなどに深く座る姿勢など座った姿勢で痛みが出やすい。
・休息によって一時的に症状が落ち着いても、競技を再開すると再発することが多い。
・ぎっくり腰の原因となるケースも多い。
仙腸関節障害の診断や検査は?
仙腸関節障害の検査で特に重要なのは、患者さんの症状と触診です。
痛みは表現しづらいものですが、ご自身の人差し指で痛みの部位を示してもらうワンフィンガーテストが有用です。
仙腸関節はわずかな動きしかありませんので、レントゲン、CT、MRIなどの画像検査では、仙腸関節障害の診断は困難です。(画像に写らない痛み)
普段特に痛みを感じる部位を指でなぞって表現して頂くと判断しやすくなります。
まとめるとこうなります。
・仙腸関節を押すと痛み(圧痛)がある。
・上後腸骨棘、長後仙腸靭帯、仙結節靭帯に圧痛がある。(図参照)
・整形外科徒手検査(パトリックテスト、ゲンスレンテストなど)で痛みが再現される。(図参照)
・片足立ち動作で痛みが再現される。
・画像には写らない。
仙腸関節障害の治療は?
当院では仙腸関節障害性の腰痛は下肢痛に対しては、しっかりと検査や分析をした上で、仙腸関節と密接に関係する股関節まわりの筋肉の柔軟性を改善させます。
また、仙腸関節や骨盤は腰椎(ようつい)やその上の胸椎(きょうつい)の動きとも関連しているので脊柱全体の柔軟性にも着目しています。
また、病巣である仙腸関節自体にも施術をしていきます。
これは仙腸関節周囲の靭帯や筋肉の硬さを取り除き、仙腸関節の左右非対称の配列(アライメント)を修正し、いわゆる骨盤のズレを改善させます。
あなたの悩んでいる症状が仙腸関節障害かなと思ったらお気軽にご相談ください!
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