前回の「軟骨擦り減ると膝が痛い?1」【その①】レントゲンでは異常がないけど痛い、という人を紹介しました。
Bさんのように、レントゲンで異常がないのに、ひざが痛い!という人は、実はとても多いです。
前回で説明したように、レントゲンで痛みは評価できないのでそれも当然です。
では、このBさん、一体どこが悪いのでしょう?
Bさんが痛みを訴えていた場所は写真の赤丸の部分でした。
実は、膝の痛みを引き起こしている場所のうち、トップに挙げられるのが「滑膜」です。
当院に来院された方であまりの痛みの強さであったため、まず医療機関への受診を勧めました。
Bさんが医療機関を受診時にこの「滑膜」に異常がありました。
普通であればもっと薄いはずの滑膜が腫れて分厚くなっているのです。
反対の膝には、この黒い層が見当たらないのがわかると思います。
レントゲンでは正常でも、エコーで見るとこれほど違うのです。
先ほど、滑膜の痛みと言いましたが、もっと正確に言うと滑膜に増えている血管が原因となっている痛みです。
人間の身体は「血管と神経が一緒になって伸びる」という基本ルールがあります。
つまり血管が増えているところには、神経も一緒になって増えていて、この余計に増えた神経から痛みの信号が脳に送られることがわかっています。
滑膜は血管が増えやすいため、痛みの原因になりやすいのです。
この場合は病理的な変化が顕著なため、残念ながら私の力では改善することは難しく、この滑膜の治療をしないと痛みは改善されません。
したがって医療機関での治療を勧めています。
医療機関では少量のステロイドで治療すると思いますが、ステロイドには血管を退縮させる効果があるためです。
このように、当院では明らかに医療機関でしかできないような治療の方が患者さんのためになると判断した場合は無駄に施術を引き延ばすことはせずに医療機関への受診を勧めたり、医療機関との併用を提案させていただいています。
何かお困りのことがあれば一度ご相談ください!
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