昭和区の腰痛専門整体の、ぱく痛みとからだの研究所の朴です!
腰痛は誰もが人生で一度は経験するほどの国民病とも言える症状です。
ここで重要なのは、腰痛は疾患ではなく、あくまで症状なのです。
したがって一口に腰痛と言ってもその症状は様々ですし、原因もそれぞれです。
その中でも今回は 仙腸関節障害 について説明していこうと思います。
仙腸関節って聞いたことありますか?
芸能人でも時々仙腸関節障害で休養したと言うニュースも見るので知っている・聞いたことあると言う方も多いのではないでしょうか。
仙腸関節は、仙骨と腸骨と言われる骨で連結された部分のことをいいます。
この仙腸関節は強力な靭帯で補強されているので、関節自体の動きはかなり少ないとされおおよそ2°程度しか動かないと言われています。
仙腸関節の周りには様々な神経が通過しているので仙腸関節障害と言っても、その症状は腰から足までかなり多岐に渡るのでなかなか鑑別が難しいと言うのが現状です。
村上栄一,菅野晴夫,奥野洋史ほか.仙腸関節性腰殿部痛の診断と治療.MB Orthop. 2005; 18: 77‒83.
ただ、図で見る通りやはり仙腸関節の周りに症状が出る事が多いですし、実際の患者様でも仙腸関節周りやお尻の症状が多い印象を受けます。
では仙腸関節の場所や症状はある程度理解できたとして、何がこの痛みの要因なのでしょう。
痛みの多くは靭帯性もしくは筋肉性の痛みだと考えています。
まずは靭帯の説明です。
仙腸関節や仙腸関節周りに付着する主な靭帯は後仙腸靭帯や骨間仙腸靭帯、仙棘靭帯、仙結節靭帯などがあります。
仙腸関節障害による腰痛の要因として多いのが後仙腸靭帯や骨間仙腸靭帯です。
これらは直接仙腸関節を跨(また)いでいて痛みの場所と一致する事が多いです。
靭帯というのは関節を保護するためにあるので、筋肉の様にすごく伸びたりする組織ではないですが、
引っ張るとある程度パンっと張る程度までの柔軟性は持っています。
顕微鏡レベルで観察すると靭帯はメッシュ構造になっています。
フルーツを入れるフルーツキャップの様なイメージですかね。
この仙腸関節周りにある靭帯が悪さをする背景には拘縮と言う病態があります。
拘縮は簡単に言うと硬くなってしまう事。と理解してください。
この硬くなってしまう原因には、不動(動かない)、炎症(炎症後の回復過程で硬くなる)、負荷が掛かりすぎている。などがあります。
そうするとメッシュ構造の網目の隙間にコラーゲン線維などが沈着してしまい伸びづらくなってしまいます。
ちなみにコラーゲンは一見柔らかそうなイメージがありますが、組織的には硬い物質になります。
パンっと張るくらいの柔軟性を持っていた靭帯ですが、元々動きが少ない仙腸関節が靭帯が硬くなるとその影響は大きいとなんとなく想像できますか?
10あったものが6つまで減るのと、5つあったものが1つになるのでは同じ4つ減った事実は一緒ですが、重症度が違いますよね!
この硬くなった靭帯が存在したまま体を動かす、あるいはずっと座っているなど症状の出る動作・姿勢をとると仙腸関節中でも同じ部位にずっと圧力が掛かってしまったり、柔軟性が低下した靭帯が動きに伴って無理に伸ばされると痛みを引き起こしてしまいます。
次に筋肉の説明です。
仙腸関節付近に付着する筋肉としては代表的なのは多裂筋(たれつきん)です。
それ以外としては脊柱起立筋と言われる筋肉や大殿筋、広背筋です。
筋肉が骨につく場所を付着部といいますが、昨今整形外科領域ではEnthesopathy(筋腱付着部障害)エンテソパチーといって筋肉が骨に付着する場所で悪さするという病態が注目されています。
靭帯も筋肉も仙腸関節に覆い被さる様に存在しているので、痛い場所は同じでも原因によって行うべき施術が全く異なります!
仙腸関節以外の問題としては、
仙腸関節が身体の動きに伴って動く時に隣接する関節や離れた部位の動きに影響を受けます。
例えば、股関節の可動域制限があったり腰や背中の硬さがあれば、偏った部位にばかり負荷がかかります。
働かない上司がいるために、部下に仕事がしわ寄せが行くようなイメージです。
仙腸関節障害で前屈や後屈(後ろに反る)する時に痛い人を例にあげます。
痛みの出る動きの際に骨盤を操作して、症状が酷くなる方向、軽減する方向があります。
また、立って前屈すると痛いけど、座って同じ様に前屈しても痛いのか?など色んな条件で痛みを分析します。
増悪・軽減の条件を見つけたら、実際に感じる痛みはどこなのかを特定あるいは患者さんに教えてもらいます。
特定できる場合も特定できない場合も、それぞれにちゃんとした意味があるので重要です。
次にそれを引き起こす仙腸関節以外の問題を特定します。
ここまで来たら、洗い出した問題に対してアプローチしていきます。
仙腸関節だけの施術で完全に痛みが消失してしまう人もいれば、股関節の硬さを取り除いたほうが、仙腸関節だけの施術よりも痛みの改善度が高い場合もあります。
後者の場合は、その人にとっては股関節の影響が色濃かったと言えます。
仙腸関節障害で気をつけないといけないのが急性期の炎症です。
仙腸関節障害には仙腸関節に強い炎症が生じている仙腸関節炎という病態があります。
これは痛すぎて歩くのも到底難しいと思います。
急性期の仙腸関節炎の場合は、リハビリや整体の前にエコーなどの検査で仙腸関節に炎症があるかをチェックしてもらい、注射などの処置で炎症をコントロールすることが最優先なので医療機関への受診が必要です。
炎症がない仙腸関節障害であれば当院での施術が可能です。
もし自分の症状の場所と似ている、自分の症状も治るのかなと思ったら、一度お気軽にご相談くださいね!
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